
Tricker’s(トリッカーズ)
ブランド・生産国:イギリス
創業年 :1829年
価格帯 :4~6万円
有名モデルや木型:カントリーブーツ、バートン、モンキーブーツ、モールトン、ストウ、エスプレッソ(色)、マロン(色)
独立した260もの工程
トリッカーズのシューズとブーツは靴型に合わせて作られており、堅牢で優れた耐久性を確保しています。品質管理が徹底されているトリッカーズのフットフェアは、まさに一生物のクオリティを持つレザーシューズなのです。それはまさに、イギリス製靴業の聖地ノーサンプトンの自社工場で、職人たちが一つひとつの工程に気を配り、心を込めて作り上げた靴であることの証。トリッカーズのブーツやシューズは、長年にわたって靴作りを極めてきた職人たちの手で、計260もの工程を経て完成に至るのです。
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クリッキング(裁断)
トリッカーズのハンドメイドシューズ/ブーツの特徴的なパターンを切り出す技術を身につけるには、数年の経験が必要です。裁断師は革の繊維を見て、どの方向に切るべきか、どう伸ばせば最高のフィット感を得られるのかを判断しなければなりません。裁断師はそれらをしっかり見極めた後、ようやく仕事に取り掛かる準備を始め、真鍮で縁取った型を革に合わせ、この工程の名前の由来となった「クリック音」を響かせるのです。
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クロージング(縫製)
さまざまなパターンで裁断されたパーツを縫い合わせ、1枚のアッパー(甲革)を作り上げる技術も、習得に数年を要する職人技です。このアッパーに職人がアイレットホール(ハトメ穴)とリベットを付け、ブローギング(穴飾り)を施すことで、ひと目でトリッカーズとわかる独特のデザインが生み出されます。手作業で丹念に革をすくスカイビング処理が許されるのは、このパーツだけ。完成したアッパーは、革のしなやかさと柔軟性を保つために数日間干され、水分を軽く含ませた後、一組ずつ手書きで番号が記され、それぞれに独立した存在感が与えられるのです。
LASTING ラスティング(成形)
LASTING
ラスティング(成形)
それぞれのデザインに応じた靴型に合わせ、完成したアッパーを職人が手作業で吊り込んでいくこの工程では、職人の鋭い目に加え、適切な温度や湿度、微妙な力加減などが求められます。その後、アッパーはウェルト(細革)と縫い合わされるまで、インソール(中底)に付けられたリブに小さな釘とステープルで固定されます。トリッカーズのシューズとブーツは、いずれもウェルトでアッパーとインソールを結合。続いてソール(本底)がウェルトに縫い付けられます。トリッカーズのウェルトシューズは接着剤ではなくステッチで固定しているため、リペアが必要な場合もこのステッチをほどき、分解して修理することができます。
WELTING
ウェルティング(すくい縫い)
靴の強度を補い、体重がかかっても歪みが生じないよう、ソールに木製のシャンク(芯材)が埋め込まれます。アウトソールとインソールの間の空間には、フィット感やクッション性、快適性を高めるため、コルクの中物を充填。この段階でラバーまたはレザーのソールが取り付けられ、余分な部分をカットした後、ウェルトに縫い合わされます。さらに数日間の乾燥工程を経て、複数のパーツを組み合わせたヒールをシューズやブーツに取り付ければ、あと少しで完成です。
FINISHING
フィニッシング(仕上げ)
ソールとヒールを調整し、エッジをスムーズに磨き上げシューズを仕上げる職人たち。その卓越した技術を習得するには、長年の経験と熟練の慧眼が欠かせません。そんな職人たちがアッパーの防水性を高めるために着色、研磨し、ワックスをかけた後は、炎で熱した器具で装飾パターンを施していきます。
THE SHOE ROOM
ポリッシング(磨き)
シューズやブーツの履き心地を高めるソックライナーが取り付けられます。完成したシューズはクリーニングされた後、独自にブレンドしたクリームとポリッシュを用いてアッパーにパティーヌ仕上げを施します。最後に一晩かけて適度な水分を含ませた後、シューズまたはブーツに独特の光沢を与えるため、手で磨き、艶を出します。さらに最終チェックを経て靴紐が通され、コットンのクロスに包まれたシューズは、オリジナルのシューズバッグと共に箱詰めされます。すべてが手作業による260の工程を経て、トリッカーズのハンドメイドシューズ/ブーツは出荷を待つばかりとなるのです。
公式サイトより引用
180年以上の歴史を持つトリッカーズ
トリッカーズ(Tricker’s)は1829年創業のイギリスの老舗シューズブランドです。伝統的なブランドでありながら、特に人気のあるモデル「カントリーライン」はその独特の個性から、ここ数年で世界中の若者の支持を一気に集めました。
トリッカーズではイギリスの伝統的な製法を守り、今も1人の職人が全ての製靴工程を受け持つベンチメイドで靴を作っています。
トリッカーズは英国王室御用達
トリッカーズの本社があるイギリスのノーザンプトンは、チャールズ皇太子の最初の妃、故ダイアナ妃の出身地でもあります。そんな由縁もあり、ダイアナ妃がチャールズ皇太子にトリッカーズのルームシューズをすすめたところ、チャールズ皇太子がトリッカーズを大変気に入り、英国王室御用達の称号を授かったというエピソードがあります。
ノーザンプトンはイギリスが世界に誇る「英国靴の聖地」です。そんなノーザンプトンにおいても老舗中の老舗であるトリッカーズは、「究極の実用靴」としてイギリスはもちろん世界各国で評価されています。
圧倒的な耐久性を誇るトリッカーズ
トリッカーズの靴は、圧倒的な耐久性に定評があります。
トリッカーズの靴の中でも特に人気のあるカントリーラインを例に挙げると、ダブルソールの内側のソールに外側のソールと同じくらいの厚みを持たせ、表革には防水加工を施すことで、その驚異的な耐久性を実現しています。また、シャンクにはスチールではなくブナ材を使用しているため、地面からの衝撃を柔軟に吸収し、悪い路面状況での安定した歩行を可能にしています。
トリッカーズの歴史
1829年、ジョセフ・トリッカーがイギリス・ノーザンプトンに「R.E.トリッカー社」を設立。
以後、トリッカーズはイギリスを代表するビスポークシューズブランドに成長。英国王室から王室御用達にも指定され、トリッカーズは「プリンス・オブ・ウェールズ(チャールズ皇太子)のシューメーカー」と呼ばれている。
革靴ブランド辞典より引用
ブランドのはじまり
1829年、イギリスにてジョゼフ・トリッカーが靴のブランド、トリッカーズ(Tricker’s)を創業。
トリッカーズについて
トリッカーズは、イギリスを代表するビスポークのシューズブランド。イギリスで最古の製靴業者。長い伝統とクオリティから、グッドイヤーウェルト製法を採用しているブランドの代表格と言える。
工場のあるノーサンプトンは、靴の製造工場が多くある地域で、イギリスを代表する靴の生産地。トリッカーズの工場は、1904年に稼働を開始。以来、今もなお全工場の生産拠点として稼働。“100%メイド・イン・ノーサンプトン”を守り続けいている。
アッパー・レザーには、上質な子牛のレザー(カーフスキン)のみを使用。ソールにはオーク(広葉樹)の上質な皮を採用している。独立した260もの工程を経て完成するシューズはハンドメイドであり、1人の職人が最初から最後までの製靴工程を受け持つベンチメイド手法を用いる。裁断、縫製、ラスティング、ウェルティング、フィニッシング、磨きといった1つ1つの工程に長年の経験や熟練を要する職人技が凝縮されている。
過去には、フット ザ コーチャーの竹ヶ原敏之介がトリッカーズで働いていたこともある。
トリッカーズの沿革・歴史
1829年、ジョゼフ・トリッカーズがトリッカーズ社を創業。
1925年、ジャーミンストリートにショップオープン。1939年に同じジャーミンストリートに移転し、現在も営業を継続している。
1926年、ブランドを象徴するカントリーブーツのデザインが完成。
1989年、英国王室から、王室御用達の紋章である「ロイヤルワラント」を授与。
2019年、創業190年を迎えたトリッカーズは、記念銘板の除幕式を開催。来賓として、ウェールズ公が出席した。
ファッションプレスより引用